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THE STAR ONIONS『FFXI』アレンジCD「Sanctuary」発売記念 作曲家・水田直志氏インタビュー完全版
 『FINAL FANTASY XI』の素晴らしい音楽を手がけてきた、THE STAR ONIONSから待望の2ndアルバム「Sanctuary」(絶賛発売中)がリリースされた。今回はゲーム内に流れる楽曲を、より美しい旋律へとアレンジした珠玉の1枚となっている。
 今回は、「Sanctuary」発売にあわせて電撃PlayStation Vol.448 に掲載した作曲家・水田直志氏のインタビュー完全版を大公開! 
 旅団公式サイト公開用に、特別に水田氏の動画による収録曲コメンタリー&メッセージも掲載します! 「Sanctuary」を購入済みの人も、ちょっと気になるな~なんて人も、ぜひご覧下さい。

スターオニオンズ プロデューサー
水田直志

 拡張ディスク&シナリオを含む『FFXI』全般の作曲を手掛けるかたわら、スターオニオンズのリーダー兼ベーシストとしても活躍。

THE STAR ONIONSとは?
水田氏が率いる『FFXI』アレンジユニット。主なメンバーはベース担当の水田氏、ピアノ&シンセサイザー担当の谷口久美氏、ギター担当の関戸剛氏、シンセサイザー担当の甲田雅人氏、ドラム担当のマイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏。

『Sanctuary / THE STAR ONIONS』
発売日:発売中
価格:3,000円(税込)

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■約4年ぶりの新アルバムは温かみのあるアレンジに注目!

――今回約4年ぶりの新アルバムとなりますが、ファンからの期待も大きかったのでは?
水田直志氏(以下水田、敬称略):ファンのみなさんからのアレンジ版の要望はちょくちょく耳にしていました。スターオニオンズの活動としては間隔が開きましたが、「PREMIUM BOX」や「ピアノコレクションズ」に続いてコンスタントにアレンジ版を発表でき、みなさんの期待にはこたえられたかなと思います。
――今回のアルバムのコンセプトは?
水田:前作は1作目だったので、『FFXI』の楽曲でこんなアレンジができるということを知っていただくために、勢いに乗った大胆なアレンジが多かったと思います。原曲からはかけ離れたアレンジがメインでしたね。ですが今回は、ファンのみなさんからの「アコースティックなアレンジも聴いてみたい」という声もあり、なにより自分でも温かみのあるアレンジに興味があったので、刺激を追い求めるのではなく、ゲーム中の雰囲気のまますんなりと聞けるハートフルなアレンジを目指しました。「Sanctuary」というタイトルも、安心感のあるイメージでということで、スタオニのドラマーでもあるマイケル(※『FFXI』ではトランスレーターを担当しているマイケル・クリストファー コージ フォックス氏)に命名してもらいました。
――わりとアップテンポの曲も、生楽器の演奏でゆったりとした曲調になっている感じですね。
水田:生楽器で表現力豊かにしたい、というのも今回のアルバムを作るにあたって当初から考えていたコンセプトの1つになります。
――今回収録されている11曲の選曲基準は
水田:ゲームのほうですでに4つの拡張ディスクが出ているので、どれかにかたよることなく、まんべんなく収録することを心がけました。また、昔プレイしていた人にも懐かしんでもらえるように、「Voyager(機船航路)」といったオリジナルディスクの曲も収録しています。あとは、ユーザー人気の高い曲ですね。
――スターオニオンズの演奏をライブで聴きたいという要望も大きいと思いますが、今後の活動予定は?
水田:個人的には単独ライブなどもやってはみたいですが、基本的にスターオニオンズは『FFXI』の楽曲で遊ぶ……というか気軽に楽しむユニットなので、ファンフェスティバルなどに呼ばれて参加するくらいが丁度いいですね(笑)。いつでも自由にメンバー全員が集まれるわけではないので……。ただ、集まって何かやりたいなとは常々思っています。

■7周年を迎えてなお愛され続ける『FFXI』の楽曲の秘密とは!?

――『FFXI』はMMORPGですが、作曲するにあたってオフラインゲームとの違いで意識したことは?
水田:なにしろオンラインゲームの作曲は初めての経験だったので、手探り状態のスタートでしたが……。例えば、街の曲などは10回や20回ではなく数千回という単位で繰り返し聞くだろうなということを考えて、マイナー進行の暗い感じの曲でも、暗く沈みすぎないように、必ず明るい部分を入れたりしました。あとは、単調にせず、何回聞いても飽きのこない曲を目指しました。
――作曲するにあたって、ゲームのイメージイラストや開発中の画面などを参考にしたりしましたか?
水田:そうですね。基本的には開発と並行作業です。色も付いていないような段階のラフスケッチなども参考にしています。理想としてはできあがったゲームに後付けで作曲したいところですが、スケジュール的に難しいので(笑)。
――サービス開始から7年間という長期間にわたって曲が聞かれ続けていることに対する思いは?
水田:当初はこれだけ長期間聞かれるとは想像できませんでした。これだけ長いあいだ親しまれると、3国の曲なんかはまさに故郷の曲ですよね。出身国や周辺エリアの音楽を聴いた瞬間に「田舎に帰ってきたぞー!」みたいな感じで。
――拡張ディスクの曲を作曲する際に注意したポイントなどはありますか?
水田:『FFXI』全体のイメージを変えない範囲で、拡張ディスクごとの特徴づけをしました。『プロマシアの呪縛』なら暗い感じ、『アルタナの神兵』なら過去の世界をほうふつとさせるような感じ、といったぐあいです。
――『FFXI』では全体的に生楽器でのスローなイメージの曲が多いですよね。
水田:そうですね。最初からシンセサイザーでリードをとったり、エレキギターでロックっぽい曲を作ったりはせず、無国籍な民族調をコンセプトに作曲してきました。それを土台とした音楽の世界観をもとに、新たな曲を作る際にちょっとずつ色々な楽器を解禁していった感じです。
――『FFXI』に限らず、作曲する際のバックボーンになっているジャンルなどはありますか?
水田:自分が好きで聴いているのは、ゲームとはあまり関係ない普通の曲がほとんどですね。いろんな曲を好き勝手聴いている感じです。
――今後、『FFXI』にどんな感じの曲を入れてみたいですか?
水田:曲に関しては、まずゲームの内容ありきなものなので、純粋に音楽だ
けこうしたい、ということはないですね。
――ゲーム内容に沿う楽曲を作るなかで、迷ったり悩んだことは?
水田:開発側からの要望もありますし、ゲーム内容がかぶらずカラーがしっかりしているので、意外と悩むことなくすんなりと曲を作れますね。
――先日発売された『石の見る夢』では、『FFXI』で初めて『FF』のテーマが登場しましたが、これまで『FF』シリーズの曲として意識した点は?
水田:『FF』のテーマをいきなり組みこんでしまうと、ヴァナ・ディールという
世界にほかの世界観が入ってきてしまうので、あえて今までは封印していましたが、
サービス開始から7年たつしそろそろいいかなと(笑)。
ほかにもチョコボのテーマやレベルアップ時のファンファーレは当初からありましたが、
シリーズ色を感じられるのを基本メロディくらいに抑えています。
――『FFXI』でお気に入りの曲はありますか?
水田:すでに150曲近く作っているので、自分が作曲した中では、コレ! という曲は選べませんね(笑)。谷岡さん(※スターオニオンズでピアノやシンセサイザーを担当する谷岡久美氏)の曲だったら「Gustaberg(グスタベルグ)」ですね。自分ではこうは作れないという観点で作られていて、今回のアレンジにあたって改めて聴いて、よくできた曲だなぁと。植松さん(※『FF』シリーズの作曲者でもある植松伸夫氏)の曲だったら「Distant Worlds(プロマシアエンディング)」ですね。歌が映えるメロディが好きです。
――プレイヤーには「Awakening(闇王戦)」や「Fighters of the Crystal(神威)」などが人気が高いですね。
水田:楽曲単体の魅力が大きいのはもちろん、やはりイベントバトルという特別なシチュエーションである点も大きいでしょうね。強烈な体験をするぶん、それだけ大きな印象が残ると思います。

■収録曲について水田氏が語る

1:Voyager(機船航路)
 船の曲なんですけども、初めて船に乗り、新しい大陸に行くというワクワクした感じを表現できればいいかな、と。今回はあまりアレンジを加えていません。生楽器で演奏することにより、違う世界を提示するのではなく、本来の世界をより豊かに表現したいと思いました。

2:Flowers on the Battlefield(過去世界ジュノ周辺)
 物悲しいなかにも明るい希望が持てるような曲なので、ストリングスの弦が生になったことで、すごく豊かに表現できているのではないかと思います。笛もアコースティックなものにしているので、心に染み入る、じわっとくるように感じてもらえればいいな、と思います

7:Gustaberg(グスタベルグ)
 あまり手を加えてしまうと、原曲のよさが消えてしまうと考えていました。アレンジ担当の江口さんに相談したところ、江口さんも同じことを考えていたようで、原曲を豊かに生楽器に置き換えて、本来こうしたかったんだろうな、という方向に仕上げました。
 ゲーム内では内蔵音源なので本来こうしたかったんだろう、というのを汲み取っていただいた感じですね。

8:Rapid Onslaught -Assault-(アサルト)
 これは本来勢いのある曲なので、アレンジをしても疾走感のあるところはしっかり残っていると思います。ちょっとこういう激しい曲があるのも、アクセントになっていいんじゃないですかね。

9:Distant Worlds(プロマシアエンディング)
 原曲がとてもいいものなので、それとは異なる方向性で、インスト(インストゥルメンタル)で攻めてみようと。
歌声に対抗できる楽器というと難しいのですが、思いついたのがバイオリンでした。
バイオリンをフィーチャーして、歌に負けないくらいの表現力でやって
みよう、と甲田さんにお願いしたのが今回のアレンジです。

3:Xarcabard(ザルカバード)
4:Fighters of the Crystal(神威)
5:Faded Memories - Promyvion(プロミヴォン)
6:Mhaura(マウラ)
10:Griffons Never Die(過去サンドリア)
11:Wings of the Goddess(タイトル画面&イベントシーン)

 上記の6曲のコメント、ならびに水田氏からのメッセージは、ぜひとも映像をご覧下さい!

水田直志氏インタビュー映像■THE STAR ONIONS「Sanctuary」水田直志氏インタビュー映像
 収録曲コメンタリー&メッセージ
 (5分41秒、約35.4MB、wmv形式ファイル)

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